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酒類販売業免許の取得を検討している方へ!申請手続きの流れを説明

飲食店や小売店での酒類販売、ネットショップでの通信販売、業務用の卸売など、お酒類の販売を行うには「酒類販売業免許」が必要です。

お酒を販売するには、法律に基づいた「酒類販売業免許」の取得が必要です。免許の種類や申請手続きには細かな規定があり、事前にしっかりと準備をしておくことが重要です。本記事では、酒類販売業免許の申請の流れ、必要な書類などをわかりやすく解説します。これからお酒の販売を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を読んで欲しい人

お酒を販売したいけど何から始めていいか分からない人
酒屋を開くことを計画している人
経営しているレストランで酒類の販売を考えている人
輸入したワインを通信販売で販売したい人
自分で酒類販売の免許を申請しようとしたけど難しくて挫折した人

前の記事では、「酒類販売免許」の特徴を説明いたしました。

この記事では実際の申請を流れに沿ってご案内いたします。

目次

酒類販売免許の申請

1.申請書類の作成

酒類販売業の免許申請に当たっては、申請書の他に下記の添付書類が必要となります。

免許の区分によって必要となる書類に違いがありますが、ここでは一般酒類小売業免許を例に必要書類を列記します。

  1. 酒類販売業免許申請書
  2. 販売場の敷地の状況(次葉1)
  3. 建物等の配置図(次葉2)
  4. 事業の概要(次葉3)
  5. 収支の見込(次葉4)
  6. 所要資金の額及び調達方法(次葉5)
  7. 酒類の販売管理の方法に関する取り組み計画書(次葉6)
  8. 酒類販売業免許の免許要件誓約書
  9. 申請者の履歴書(法人の場合、役員全員分)
  10. 定款の写し(法人の場合)
  11. 賃貸借契約書等の写し
  12. 建物の使用承諾書
  13. 都道府県の納税証明書(酒類販売免許申請用)
  14. 市区町村の納税証明書(酒類販売免許申請用)
  15. 直近3年分の財務諸表・収支計画書
  16. 建物の全部事項証明書
  17. 土地の全部事項証明書
  18. 銀行の預金証明書
  19. 仕入先の取引承諾書
  20. 酒類販売管理研修の受講証
  21. 申請書類チェック表

(出典:国税庁 一般酒類小売業免許申請の手引一般酒類小売業免許申請の手引|国税庁

2.申請書の提出

準備した申請書と添付書類は販売場を管轄する税務署に提出します。

ここでいう販売場とは実際に酒類を販売する全ての場所を指しており、例えば本店と2つの支店で酒類販売を行う場合には、本店のみならず2つの支店ごとに申請しなければならず、一括して本店のみで酒類販売業免許の申請をすれば良いという訳ではありません。

また酒類販売業免許は特定の場所、特定の人に付与されるものですので、事業を承継・相続した場合や、会社の統合・合併、個人事業主が法人なりした場合などでも新たに免許を申請する必要があります。

3.申請書の審査

提出された申請書と添付書類は、税務署において「酒類指導官」が受付順に申請書の内容に不備がないか、申請書等及び申請販売場が酒類販売業免許の各要件に合致しているかなどについて審査を行います。

免許審査の過程で、税務署から説明を求められることや現地確認が行われることもあります。また、免許の審査に当たっては、審査手続の実効性を確保する観点から小売酒販組合に対して意見を聴取する場合があります。

酒類販売業免許の標準処理期間(通常要する審査の時間)は約2ヵ月です。ただし、提出された書類に不備が有り、その補正を命じられた場合には、この処理期間のカウントは停止し、補正が完了した日から約2ヵ月を要しますのでご注意ください。

4.免許付与の通知

審査の結果、免許が付与される場合には、申請者に対して「酒類販売業免許通知書」が文書で通知されます。また、付与できない場合についても、その旨が書面で通知されます。

5.登録免許税の納付

酒類販売業免許が付与されたら、登録免許税を納付する必要があります。

税務署から「酒類販売業免許に伴う登録免許税の納付通知書」で通知がありますので、税務署または金融機関で登録免許税を納付します。登録免許税の額は、酒類小売業免許については免許1件につき3万円です。

登録免許税の納付が完了したら、登録免許税の領収証書の原本を税務署から送付される「登録免許税の領収証書提出書」に貼付して、指定された期日までに税務署長に提出します。

6.酒類販売管理者の選任

酒類小売業免許を受けた場合には、酒類販売業を開始するときまでに「酒類販売管理者」を選任し、2週間以内に免許を受けた税務署に「酒類販売管理者選任届出書」を提出しなければなりません。

酒類販売管理者を選任しなかった場合には、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の規定により、50万円以下の罰金に処せられます。

酒類販売管理者とは

1.酒類販売業者は、酒類の販売業務を開始する時までに、酒類販売管理者を選任し、2週間以内に、その旨を管轄税務署長に届け出なければなりません。酒類販売管理者を選任しなかった場合には、酒税法の規定により、50万円以下の罰金に処せられることになります。

2.酒類販売管理者は、次の条件を満たしている者の中から選任しなければなりません。

(1)酒類の販売業務に従事する者

(2)過去3年以内に酒類販売管理研修を受けた者

(3)次の①~③に該当しない者

①未成年者

②精神の機能の傷害により酒類販売管理者の職務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者

③酒税法第10条第1号、第2号または第7号から第8号までの規定に該当する者

(4)酒類小売業者に引き続き6ヵ月以上の期間継続して雇用されることが予定されている者(酒類小売業者と生計を一にする親族及び雇用期間の定めのない者を含む)

(5)他の販売場において酒類販売管理者に選任されていない者

3.酒類販売管理者の役割。

酒類販売管理者は、酒類の小売業または販売業務に従事する使用人等に対して、これらの者が酒類販売業務に関する法令を遵守してその業務を行えるよう、必要な助言や指導を行います。酒類小売業者は、酒類販売管理者の助言を尊重しなければなりません。

初めて酒類販売を開始しようとする場合、酒類販売の経験は無いかと思います。その場合には、酒類販売の経験のある者を酒類販売管理者として雇用するか、上記の酒類販売管理研修を受けなければならないことになります。

酒類販売管理者の選任は、「免許が付与されるときまで」となります。つまり、免許申請時点では選任しておく必要はありません。その場合、誰を酒類販売管理者に選任する予定であるか、その者が酒類販売の経験が無い者の場合、いつ酒類販売管理研修を受けるかを明確にしておく必要があります。

7.酒類販売業免許者の氏名等の公表

国税庁では、販売業免許の付与等を行った場合には、その免許者について①免許等年月日、②申請等年月日、③免許者の氏名または名称及び法人番号、④販売場の所在地、⑤免許等酒類、⑥処理区分(新規、移転等)について、免許を受けた日の翌月末から享保していています。

酒類販売業免許申請のポイントと注意点

酒類を販売するには、必ず「酒類販売業免許」の取得が必要です。店舗での小売、ネット販売、卸売、ふるさと納税向けなど、どのような形であっても酒類を扱うには、国税庁の定める手続きに従って免許を取得しなければなりません。

以下に酒類販売業免許申請のポイントと注意点をご案内します。

1. 免許の種類を明確にする

酒類販売業免許には複数の種類があり、販売方法や取引対象に応じて選ぶ必要があります。

免許の種類主な特徴
一般酒類小売業免許店舗で一般消費者に酒を販売する(飲食店除く)
通信販売酒類小売業免許インターネット等で酒類を通信販売する
酒類卸売業免許(各種あり)業者間の取引を行う(他の酒販業者・飲食店など)
酒類製造免許自社で酒類を製造(かなり厳しい要件あり)

2. 申請者の要件

  • 成年(20歳以上)であること
  • 破産者や前科者など法令で禁じられていないこと
  • 継続的に事業を行う能力があること
  • 過去に酒税法違反などの重大な違反がないこと

3. 事業所の要件

  • 実体のある事務所・店舗があること
  • 事業所が酒類販売に適している場所であること
  • 営業許可を得ている飲食店とは別扱い(小売免許が必要)

4. 人的要件

  • 酒類販売管理研修を受講した「酒類販売管理者」を選任する必要があります。
  • 管理者は定期的に研修の受講が求められます(3年ごと)。

5. 帳簿・記録の管理体制

酒類の仕入・販売について記録を整備し、税務署に提出できる体制が必要です。

6. 申請書類と添付資料の準備

主な提出書類は上記のとおりです。
申請先は酒類販売場のある地域を管轄する税務署となります。

酒類販売業免許申請には非常に多くの書類を準備、作成、提出する必要があります。
全ての書類を洩れなく、正しく準備をする必要があり、一つでも不備があると、申請拒否が提出し直しが必要となります。

8. 審査期間と費用

  • 審査期間:2〜3か月程度
  • 申請手数料:原則無料(※行政書士に依頼する場合は別途報酬が必要)

まとめ

いかがだったでしょうか。

酒類販売業免許の申請は、数ある許認可申請の中でも比較的難易度の高い申請となります。お酒の販売をしようと思った場合、できるだけ早めに準備を進めておくことが必要です。

また酒類販売業免許の申請先は販売場を管轄する税務署となりますが、税理士業務からは除外されています。専門家に依頼する場合には行政書士がお手伝いいたします。行政書士は公官署に提出する書類の作成代行、相談を法定独占業務としており、行政書士以外の者が他人の依頼を受け、これらの書類作成、申請の代行を行うことは行政書士法によって禁止されております。

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